【空間を再設計】REEF technology社とは

REEFtech 見出し画像

アメリカの不動産テック企業であるREEF technology社。駐車場の空きスペースから新たな価値を創出したDX企業の1つとして注目されています。本記事ではそのREEF technology社についてまとめてみました。

会社概要

REEF technology社は、2013年に創業したアメリカのフロリダに本社を置く駐車場管理会社及びITサービス会社です。主に駐車場管理サービスを提供しています。

同社は、駐車場などの土地の駐車スペースとしての使い方はもちろん、飲食店の設置や近隣住民のコミュニティとしての使い方に力をいれています。例えば、Uber社と連携してデリバリー専門のレストラン(=ゴーストレストラン)の設置してフードデリバリーサービスの高まる需要に応えた土地スペースの提供を行っています。都会のビジネスやサービス、コミュニティの場として土地を利用・提供することに重きを置いています。

北アメリカやヨーロッパで、5000以上の土地を保有・管理していて、18000人以上の従業員を抱える北アメリカで最大の駐車場管理・フードデリバリーサービス専門レストラン提供企業となっています。

ミッション

DIGITAL PRODUCTS THAT CONNECT THE WORLD TO YOUR BLOCK

意訳すると、「デジタル製品で、世界とあなたの街をつなぐ」です。

同社が提供する駐車場管理サービス「REEF Mobile」や様々なスペース利用を提供・提案することでミッションの実現に力を入れています。さらにUber社やUnilever(ユニリーバ)社などの企業と提携することでビジネス・サービスのエコシステムを形成して、個人の需要と世界をつなごうとする動きを見せています。

取り組む課題

新型コロナウイルスの流行、DX(デジタルトランスフォーメーション)の潮流によってビジネスやサービスは大きな広がり、加速を見せています。しかし、都会のスペース不足や土地代の高さによってビジネスやサービスの展開が限られてしまう状況も発生しています。

そこで、REEF technology社が駐車場や空きスペースの多岐にわたる利用方法を提供・提案することでビジネスやサービスの可能性を拡大させることに取り組みます。

また、同社はフードデリバリーサービスの需要の拡大に応えてフードデリバリーサービス専門のゴーストレストランを設置しています。これにより提供時間の短縮や雇用拡大に繋がります。

ビジネスモデル図解

ビジネスモデル図解

強み

多くの駐車場オーナーと契約

北アメリカとヨーロッパに5000以上の駐車場を持っています。北アメリカでは、パーキングサービスのトップランナーであり、ヨーロッパでもその存在感を大きくしています。この数の駐車場を車を停める場所としてだけでなく、様々なスペースとしての利用を提案してます。

様々な会社とサービス出品提携を結ぶ

UberEats、DOORDASHなどのフードデリバリーサービス、Unileverなどの小売業と提携を結んでいます。ビジネスやサービスのエコシステムを形成し、多くの街のビジネス・サービスの発展に寄与しています。多くの会社と提携することでサービスを多様なものにしています。

マーケット

ゴーストキッチンの市場サイズ

最近では、フードデリバリー専門店の「REEF kitchen」を北アメリカやロンドンで開店し、高まるフードデリバリーサービスに注目し展開しています。

上記のグラフはアメリカ、ヨーロッパ、アジア太平洋のゴーストキッチンの市場サイズを年代ごとに示しています。すべての地域で広がりを見せると予測され、REEF kitchenもゴーストキッチンとして成長することが見込まれます。

近年の成長

ゴーストキッチンの市場シェア

2015年から2020年末にかけて三回の投資が同社に行われています。さらに三回の投資では、投資額や投資企業が安定して増加しており、同社の成長を裏付けるものとなっています。また、同社への投資をリードする企業はソフトバンクであり最も多額の投資を行っています。そのため日本でも注目されるべき企業だと考えられます。

上記はゴーストレストランの市場シェアを示したグラフです。REEF technology社は濃い緑色の部分ですが、各社の中でシェアは最も低いです。これからの同社のゴーストレストラン事業の成長に注目です。

REEFtech 提携企業

上記のようなフードデリバリーサービス業、小売業、交通局などと連携することにより一つ一つの街にビジネス・サービスのエコシステムを形成しています。この広がりがビジネス・サービスの広がりに繋がると考えられます。

経営陣紹介

Ari Ojalvo(アリ・オヤルヴォ)氏は、共同創業者兼現CEOです。

アリ氏は、生産工学と経済学の学士号と修士号をアメリカの名門私立大学であるノースウエスタン大学で取得しています。

彼は経営者であることももちろん、彼自身もまたエンジェル投資家と言われる富裕な投資家でもあります。

今後の動向

今後は、現在の駐車場管理やフードデリバリー専門店の経営に加えて、駐車場や空きスペースの様々な用途・可能性を模索していくでしょう。例えば、食料雑貨店や医療施設、イベント施設としての使用を行っていく予定だと公表しています。

フードデリバリーサービスの需要は今後も安定していくと考えられることからゴーストレストランといった需要に特化したものはますます成長していくと考えられます。

REEF technology社は、プラットフォームによって駐車場の空きスペースを大きな価値を持つものにしました。同社こそ日本の企業が参考にすべきDX企業の一つのなのではないでしょうか。