【米国でIPO】中国最大級のプラットフォームを展開する貝殻找房 (KE Holdings)とは?

近年中国の不動産仲介プラットフォームをリードしている貝殻找房 (KE Holdings)。中国の企業であるにも関わらず、米国にてIPOをしたことも話題になりました。本記事では、そんな貝殻找房 (KE Holdings)のビジネスモデルや近年の業績、そして今後の展望についてなど幅広く紹介していきます。

会社概要

貝殻找房(KE Holdings)は住宅取引及び関連サービスにおける中国最大級のプラットフォームを提供している企業です。サービス提供者と顧客の間での様々な形(住宅販売、賃貸、リフォーム、不動産金融ソリューション)での住宅取引を効率化させることをその主要な目的としています。具体的なサービスとしては不動産仲介ブランド「鏈家網(Lianjia, Homelink)」を2001年から提供しており、当該分野におけるリーディングカンパニーとなっています。また、貝殻找房にはソフトバンクグループやテンセントなどが出資しており、大きく注目されています。

創業ストーリー

貝殻找房の前身となる不動産仲介ブランド「鏈家網(Lianjia, Homelink)」は2001年、オフラインでのビジネスモデルとして北京でサービスが開始されました。その後、2010年以降はデジタル技術の急速な発展に対応させる形でオンラインでのサービスも運用されます。2015年から2018年にかけては、主にサービスの拡大期としてLianjiaを中国国内の29都市で展開させることとなりました。そして、2018年から現在までは鏈家網で培った不動産のノウハウを活用したプラットフォームを運用する「Beike」を立ち上げ、不動産エージェント及びユーザーに対して幅広い不動産情報、サービス、ソリューションを提供しています。

ビジョン/ミッション

  • サービス提供者の質・効率の向上、そして顧客体験の向上を通じて中国における住宅取引・サービスを変革する
  • オンラインとオフラインが統合されたプラットフォームを通じて、3億世帯に包括的かつ信頼ができる住宅サービスを提供すること

ビジネスモデル図解

現状分析

以下のハイライトより、同社が非常に急速な成長を中国国内で遂げ続けていることが分かります。
2020年第3四半期のビジネスハイライトより抜粋

・総取引額は1兆500億人民元(1,546億米ドル)前年比87.2%の増加。

・純利益は7,500万人民元(1,100万米ドル)。

・2020年9月30日時点の店舗数は44,883店舗で、前年同期比41.7%増加。

・2020年9月30日時点のエージェント数は477,810人で、前年同期比50.7%増加。

・モバイル月間アクティブユーザーは平均前年比82.1%増の4,790万人。

https://s25.q4cdn.com/166451781/files/doc_news/KE-Holdings-Inc.-Announces-Third-Quarter-2020-Unaudited-Financial-Results-2020.pdf

また、2020年第3四半期の未監査決算における貸借対照表は以下の通りです。

https://investors.ke.com/news-and-events/news/news-details/2020/KE-Holdings-Inc.-Announces-Third-Quarter-2020-Unaudited-Financial-Results/default.aspxより画像引用

強み

  • ACN(エージェンシー協力ネットワーク)の導入
    不動産仲介エージェントを成約件数のみで評価するのではなく、取引のプロセス毎のサービス品質で評価するシステム。従来は「数が正義」であったことから、物件販売において非効率的な競争や取引が行われていたが、このACNの導入によって不動産エージェントがより正当に評価されることになった。結果的に業界の変革へとつながったACNを保有する貝殻找房に大きな訴求力をもたらした。
  • 大量のデータと高い技術力の両立
    中国最大級の不動産仲介ブランドであった鏈家網で収集した数億ものデータベースを分析することによって導出された知見に基づき、不動産エージェントや企業に様々なソリューションを提供している。また、同社の高い技術力を活かしてVR内見など先進的な試みで不動産プラットフォームとしての質を高く維持している。

マーケット

KE Holdings 分析

経営陣紹介

Zuo Hui 創設者兼会長

20年以上にわたって中国の住宅取引及びサービス産業に従事。2001年に北京リアンジアを設立して以来、北京リアンジアの取締役会会長を務める。KE Holdings Inc.の関連会社であるジルーム株式会社(長期アパート賃貸事業を行っている)を設立。さらに、2013年から中国不動産鑑定士・代理店副社長、2016年から中国不動産商工会議所副社長、そして2017年以来、全中国商工連盟の第12回執行委員会の委員を勤めている。北京大学でのコンピューター分野における学位及びエクゼクティブMBAを取得している。

資金調達

貝殻找房には中国企業テンセントと日本企業ソフトバンクグループが巨額の出資をしていることで知られています。また、2020年8月には20億米ドルの資金調達を目的に、ニューヨーク証券取引所に「BEKE」という名前を掲げて上場しました。

今後の動向

KE Holdings 展望
画像引用:https://www.forbes.com/sites/russellflannery/2020/11/11/high-rise-billionaire-zuo-hui-dominates-chinas-property-transactions-market/?sh=1537148f3fdf