【下請け業者が嬉しい】建物管理ソフトウェアのFixflo社とは?vol.2

双方向的なコミュニケーションを強みとした建物管理ソフトウェアを提供しているFixflo社。本記事では、メンテナンスに関連した幅広い機能を持つ同社の事業概要や主要サービス、料金形態などをお伝えしていきます。

会社概要

Fixflo社は、家主、建物管理会社、入居者、請負業者が双方向的なコミュニケーションを取ることができる建物管理ソフトウェアを提供している不動産テックカンパニーです。同社は不動産案件に強みを持つ弁護士であったRajeev NayyarとFriends United Duncan Careless社によって設立されました。

2013年5月に販売開始されたFixflo社のソフトウェアは、現在120万戸以上の物件、12万人以上の顧客から利用されています。そしてその主要機能でもある物件の修理、メンテナンス案件の報告は15万以上であり、アクティブユーザーが多いことが分かります。

Fixflo社のユニークネス

Fixflo社が多くの顧客に利用されている理由は、同社のソフトウェアが多くの関係者に良い影響をもたらすからです。

例えば、入居者にとっては専有部で発生した問題をソフトウェア内のプラットフォームから依頼、報告できるので従来のように営業時間内に業者に連絡する必要がありません。また、こうした問題が起きた際に、本来であれば建物管理会社が仲介に入るため、請負業社による作業が遅くなることも多いですが、関係者全員がプラットフォーム上から進捗状況を確認することができるため、ラグが発生しないことが強みです。

また、建物管理会社も作業の請負業者と電話でやりとりする必要がなく、オンラインで修理、メンテナンス依頼を承認することができます。これによって、建物管理会社ないし大家の負担を軽減することができています。

さらに作業を担当する請負業者にとっても、このツールは非常に魅力的だと考えられます。なぜなら、先述のプラットフォームを通じて物件の情報に簡単にアクセスできるからです。従来のように入居者や建物管理会社、大家と別々に連絡を取る必要がなくなり、大幅にコミュニケーションコストが軽減しました。

主要機能紹介(後編)

下請け業者マーケットプレイス

前回記事にてお伝えしたような建物管理機能だけにFixflo社のサービスはとどまりません。Fixflo社は下請け業者のマーケットプレイスを保有しており、ユーザーはFixflo社のシステム内から直接業務の発注や指示を行うことができます。

このシステムが画期的な点は指示書から請求書までを一箇所で管理できることです。これより、例えば水漏れやガス周りの問題が発生した際に、住人がFixfloの修理報告フォームに報告すれば、数クリックのみで不動産への緊急駆けつけを依頼することが可能になるのです。Fixflo社によれば同社のシステムから依頼を行った場合、資格を持っている請負業者が4時間以内に到着するとしています。

また、緊急駆けつけ以外にも「Fixflo Contractor Marketplace」を通じて、透明な価格設定、夜間や週末を含む柔軟な予約を120以上を超えるFixfloによって認証された業者に依頼を行うことができます。従来、住人がメンテナンスや緊急駆けつけを行う際には建物管理会社と懇意にしている1,2社に対して依頼するケースが多かったですが、このツールによって業者間に市場性が生まれ、結果としてより良いサービスを提供することができるようになっています。

下請け業者向けアプリ

下請け業者、そして建物管理会社の担当者との間のコミュニケーションを円滑にするために、Fixflo社は下請け業者向けアプリ「Fixflo Contractor App」を提供しています。

下請け業者はこのアプリケーションを使用して、入居者とタスクの詳細な情報や、顧客・建物管理会社・自社との直接的なコミュニケーション、タスク報告機能など外出先でも各種情報伝達を行うことが可能です。

また、新規案件から請求済みのものまで全てのタスクの進捗状況を簡単に追跡できること、完了したタスクに関して、請求書をアップロードする機能も存在します。さらに、現場のワーカーにより特化した機能として、新しい仕事がFixfloを通じて割り当てられたとき、及びタスクに新たな情報が追加されたときにプッシュ通知を受け取ることができるため、重要な情報についても見逃してしまうリスクが減少します。

料金形態

料金ですが、Fixflo社は不動産の種類や機能の選択肢に違いはありますが、固定料金のソフトウェア利用料と、管理物件数に応じた変動性の料金を併せた額を毎月の料金としています。これは業界に限らず、同様のSaaSプロダクトを提供している各社の中でも極めて珍しい料金体系です。

一般的にソフトウェアをSaaSモデルにて提供している企業は、ID毎、つまり利用者に応じて課金を迫られるシステムを採用しています。一方で、Fixflo社は利用人数に制限を設けず、仮に上記画像で最も低い価格設定である「Basic」プランであっても利用人数によってその料金が変わることはありません。

こうした料金体系にしている理由は、不動産の利用者や大家、建物管理会社、そして下請け業者が一つのプラットフォームを利用して様々な機能を利用することによる恩恵を受けることを妨げないようにするためだと考えることができます。

いかがだったでしょうか。

次回はFixflo社のサービスを利用している企業のケーススタディについて深掘りしていきます。