プロコア社の概要
プロコア テクノロジーズ(Procore Technologies)社は2002年に現CEOであるCraig Tooey Courtemanche氏が創業したアメリカはカリフォルニア州カーピンテリアに本拠地を置く建設管理ソフトウェア企業です。
同社は建設事業者や土地・不動産オーナーなど建設プロジェクトの関係者がデジタルプラットフォームを通じて、プロジェクト実行に向けてたあらゆる業務を効率化させるSaaS事業に取り組んでいます。2021年5月時点で、世界中で160万人以上を超えるユーザーが製品を利用しています。
本記事では、プロコア社が建設プロジェクトにおける建設業者(ゼネコン)や下請け業者に対してどのようなサービス、機能を提供しているか大きく5つに分けて紹介していきます。
①リスクマネジメント
建設の現場では常に安全性、そして品質の保証が重要な関心事の一つです。そこで、プロコアでは安全性に関する規制や、品質に関する制限を簡単に参照できるツールを提供しています。
また、建設プロジェクトに関わる全てのアクターが確認できる計画書をプロコアのサービス上では作成することができますが、そこでも安全性が担保される仕組みが存在します。
具体的に、検査やテスト計画から試運転の工程、セーフティプロシージャーなどのプラン一つ一つの共有や、その承認に関する署名などを同一プラットフォーム上で行うことが可能です。
加えて、プロジェクトの日常業務の中で判明したリスク要因についてアクター間で記録、共有、分析することができます。
こうした機能によって、建設計画が順調かつ安全に進むことを助けます。
②経理作業の負担減少
建設現場において、プロコア社は経理やタスク管理に関するサービスも提供します。
例えば現場の作業員のタイムカード機能です。これまでは紙媒体で勤務時間を記録し、それを後に別のスタッフが給与計算に忙殺されていたのに対して、プロコアは現場ワーカーによる簡単な入力のみで、そうした煩雑な作業を省略させることができます。
また、現場で発生した予定外の予算追加や請求に対してもデジタル空間上で、記録、共有、承認ができるため、スピーディーな対応が可能になります。
③プロジェクト管理
建設プロジェクトを進めていく上では、プロジェクトに関わる全ての人が常にリアルタイムで情報を共有していることが重要です。
プロコアは、関係者の日々のタスクやスケジュール、メールを一元的に管理できるため、自分の情報のみならず必要に応じて、他のスタッフの情報をすぐに共有し、効率的にミーティングや面談、電話会議などを設定することができます。
また、こうしてそれぞれのスケジュールが管理されることに合わせて、プロジェクトに関わる予算の承認などをよりスピーディーに行えるようになっているので、現場での作業が遅延しづらくなります。
④財務管理
プロコアはプロジェクトの要である財務管理機能にも力を入れています。
その主な機能としては現場で発生した予算変更をリアルタイムで管理し、それに対しての予算承認もスムーズに行えることです。承認されているのか、まだ検討中なのか、あるいは棄却されているのかを携帯からでも変更、確認することが可能です。
また、予算や前日までの支出、プロジェクトの遅延具合に応じて、支出決が決算時に予測利益に対してどの程度影響するかについて分析することができます。
⑤請求書管理
下請け業者や資材など様々な支払いが行われる建設プロジェクトでは請求書管理がネックになることも多くあります。
プロコア社のサービスでは、請求書の収集や確認、承認が簡素化されるため、より早く支払いを受けられることができます。また、請求書について関係者が皆確認できるため、請求関係者間のコミュニケーションを合理化することができます。さらに、これまでの請求についてもサーバーに全て記録が残されているため、履歴を追跡することも可能です。
また、正確に請求できるという観点でプロコアは大きな強みを持っています。同社のサービスによってタスクが完了したことをリアルタイムで更新可能ですが、それに応じて請求を行うため、過剰な請求や請求書のやり直しを減らします。
加えて、請求履歴の最新の情報が関係者全員から確認できるため、請求金額の承認や拒否に関する手続きを合理化し、スピーディーにすることができるのです。
参考文献
PROCORE. “Subcontractors”. PROCORE. https://www.procore.com/en-sg/subcontractors, (accessed 2022-02-18).