【不動産エージェントの8割が利用!?】中国企業FangDDとは?

不動産エージェントに対し、マーケティング分析ツールや取引管理ソフトを提供しているFangDD社。最近では、デジタルマーケティング分野に力を入れることで、DXの高い需要がある中国や米国の不動産業界で注目されています。。本記事では、急速な事業拡大を達成し続けている同社の事業概要やビジネスモデル、今後の展望分析などをお伝えしていきます。

会社概要

FangDD社は不動産エージェントに対して、豊富な不動産データベースやクラウド領域の技術力を活かしてソリューションを提供している中国企業です。具体的にはエージェントに不動産取引に焦点を当てたダッシュボードツールなどを提供して、クライアント、やそのリスト、およびトランザクション履歴をオンラインで簡単に管理します。エージェントは取引を効率化させることができ、かつデータ分析が自動化されるため、より精度の高い施策を行うことができるのです。

ビジョン・ミッション

  • 不動産業者が簡単にビジネスを行えるようにし、彼らが夢を実現できるようにすること

ビジネスモデル図解

決算資料から見るFangDD社の現状

画像引用:https://ir.fangdd.com/static-files/e1900d45-ad87-4f52-adab-4e03acd27360

上の決算資料から、まず2016年から2019年にかけて、同社は軒並み成長していることがわかります。例えば、収益(Revenue)では2019年のデータは2016年の3倍以上と大きな躍進を遂げています。事業成長に伴ってTotal operating expenses、すなわち支出も増えていますが対収益比では低下しています。その他の値も概ね好調です。

また、2020年では収益が前年の6割程度まで落ち込んでいます。これは新型コロナウイルス流行に伴う中国不動産市場停滞に端を発するものであり、FangDD社に限った収益減ではありません。さらに、収益減と同時に支出も減少しているため、対収益比では必ずしも悪い水準を示しているわけではないでしょう。2021年以降のデータが未だ発表されていないため、同社がどの程度収益状況を改善できたかは推測できませんが、中国不動産市場が2020年下半期より徐々に回復していることは同社にとってポジティブに作用すると考えられます。

強み

  • 豊富な不動産データベース

2019年時点で1億3000万以上の物件がリストに登録されており、分析されていることから、より精度の高い提案を各エージェントに対して行うことができる

  • 不動産DXの実績

中国に200万人以上いるとされる不動産エージェントのうち、半数以上が同社を利用して成長を続けているため、サービスへの信頼性が高い

マーケット

経営陣紹介

Yi Duan氏 共同創業者兼CEO兼取締役会長

蘇州都市建設環境保護研究所にて不動産管理の学士号を取得。また、中欧国際工商学校でEMBAの学位、長江商学院で中国CEOプログラムを修了している。FangDDを共同設立する前は、2000年から2011年まで蘇州ベストチーム不動産協力サービス株式会社のマネージングディレクターを務めていた。

主要な資金調達先

  • Decent Capital
  • CDH Investments
  • Lightspeed China Partners
  • Vision Knight Capital
  • Fountain Vest Partners

今後の動向

画像引用:https://www.globenewswire.com/news-release/2019/11/01/1939649/0/en/Sky9-Capital-Founding-Partner-Ron-Cao-Congratulates-FangDD-on-its-Successful-NASDAQ-Listing.html